友人の入院 (5)
友人が退院した。
結局、オキシコンチン、リリカ、オキノームを組み合わせての痛み対策を継続することになった。
あれだけ苦しんだ痛みが少しでも軽減されて退院できたことは、良かった。
でも、退院した翌日から職場復帰なのだ。
今回の入院で使ってしまい、今年度の有休はあと1週間分しかないそうだ。これは今年度中に外来診療を受けるためにとっておかなければならない。
「欠勤」は年間4日しか認められず、そのたびに1万数千円が給料から引かれ、さらには、その年度の勤務は通算の勤続年数に入れられないという。
このルールを厳格に適用されている彼女は、その、比較的新しい会社で初めての「がん患者」なのだという。「調子が悪そうだから午後から帰りなさい」と社長に言われて帰ったとしても、「半休」はしっかり差し引かれる。
今後その会社に「がん患者」が出たとき、彼女のケースが前例となる。
がんであっても、働かなければ生きていけない。再発治療はエンドレスに続く。治療費も高額である。
「あ~まだ働けると思ったよ」と、職場復帰の翌日に彼女からメールが。「でも今後動けなくなることも考えて、いろいろと今後のことを決めていかないとね。」
彼女が少しでも長く、その会社で勤め続けることができるよう、心から願う。今、私は再発も転移もなく、勤務をすることができている。私たちのように動ける人間が、何かをしていかなければ、とも思う。でも、体力は確実に落ちているので、私自身も仕事を続けることで精いっぱいであり、何かの活動にコミットしようという勇気もなかなか出ない。いつか…とは念じているのだが、忸怩たる思いだ。