乳房再建したあとに子宮筋腫の手術
お腹をどのように切るか、というお話である。
2010年2月に遊離皮弁法で乳房再建をした。おへその下に、体を真横に横切る長い切り傷が残った。
2011年2月に、子宮筋腫と卵巣の全摘出手術を受けた。乳房再建の切り傷を再度開けての手術だった。子宮の手術は通常は縦切りである。婦人科主治医は、はじめは、子宮筋腫の手術をする条件として、再建の傷とは別に、通常の子宮の手術と同様に縦に切ることをあげた。理由は、子宮は体の非常に下の方、恥骨のあたりにあるので、おへその下くらいでは、まったく手が届かない、ということだった。でも、そうするとお腹に十字の切り傷が残る。
「そうですよ。それがだめなら、手術しません」と強気の婦人科主治医T医師を説得してくれたのは、形成外科主治医Y医師だった。形成外科は、科をまたがる手術が多い。傷を無駄に増やさないように気を遣ってくれた。Y医師は、私の前に同様の手術があり、「婦人科のW先生が、やはり、再建のあとの傷を利用して子宮の手術をするから、それに、T先生をお招きして、見てもらうことにしたよ」と言った。同じ婦人科の医者の中にも、横切りの傷を使うのをOKだとする人と、自分で切らないと心配だという人の両方がいるということだ。
T医師は、招かれた手術を見に来て、Y医師が、再建の傷を開いた後、皮膚を下まで広くはがし、子宮手術をするのによく見えるところまで開き、婦人科W医師が子宮を手がけるのを見学したそうだ。そして、「これなら、できるな」と言った、ということを、Y医師があとで私に教えてくれた。「見てくれたから、きっと大丈夫だよ」と言ってくれた。
その後の婦人科の外来で、婦人科主治医T医師は、体の開け方に一切言及しなくなった。そして、形成外科Y医師とのコラボでの手術を受け入れてくれた。そして、手術は無事に終わった。
あとで、婦人科のT医師は、「本当に、形成外科の先生ってさ、傷の治り方とか、本当に神経質だよね~。僕なんて、チャチャっと縫ったらテープはって、それだけだからね。形成外科の先生は、傷を毎日回診で見に来てるんだもんね~」と揶揄するように言っていた。外科と形成外科の違いがよくわかる発言だった。傷が治ることと、傷がきれいに治ることは、私たち患者にとっては大きな違いがある。
今も、私のからだの傷は横の1本だけ。十字架のようにならなくて、本当によかった。医師といろいろと相談し、こちらからの希望もよく伝え、お願いして、納得して手術を受けたいものだ。なんといっても、自分のからだなのだから。
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