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2010年10月12日 (火)

胸がなくなっても…

乳房や子宮は女性のシンボルのような受け止め方が強いですね。古今東西の裸婦絵画を見れば納得します。乳がんにかかったとき、両方の乳房をを失うことは女性性が半減してしまうような恐怖を感じました。頭ではそんなことないはず、とわかっているのですが、感情ではそうは行きません。

付き合って半年。50歳を目の前にしてようやくこんなに気の合うすばらしい男性にめぐり合えたのに。今後、胸のない私、術後の治療が続く私でも、彼は以前と同様に愛してくれるだろうか。精神的な愛情と肉体的な結び付きの両面で不安を感じました。何せ、お付き合いを始めて7か月です。

乳房は特別なもの。羞恥心を感じさせる体の部位。彼と私の大切なもの。その大切な乳房が病気を理由にあたかもモノのように医師や、看護師や、検査技師や、いろいろな人たちの目にさらされ、触れられ、処置され、「客観的な話」の対象になることが苦痛でした。センチネルリンパ生検を受けたときに乳輪の周囲に注射をした医師が、「痛くてごめんね。だって、両方だものね」とにやにや笑って言っていたのを、内心は「許すものか」と思いましたが、反発する気力もありませんでした。

胸がなくなっても、彼には変わらず愛してほしい。からだの結びつきをなくさずにいたい。病気発覚後のバタバタの中でも、それだけは心配で、一所懸命ネットや書籍で関連の話題を探しましたが、情報が本当に少なくて、答えを教えてもらえない問題練習を繰り返し解こうとしている学生のような気持ちで毎日を過ごしていました。

乳がんが発覚したばかりの女性の多くはこのような気持ちを持つのではないでしょうか。

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