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2009年12月15日 (火)

Free TRAM flap 手術と DIEP flap 手術の違いについて(私見)

遊離横行腹直筋皮弁(Free TRAM flap)を用いた乳房再建手術と、深下腹壁穿通枝動脈皮弁(DIEP flap)を用いた乳房再建手術について、書籍や各種医療機関のホームページで学んだこと、先日Y医師から聞いたことなどをもとにして、自分なりに理解したことを書いておこうと思う。

重要: ただし、これは、私見であり、私はまったくの素人です。参考にして頂ければ光栄ですが、間違っていることがあるかもしれませんし、偏った見方をしている部分があるかもしれません。必ず各自で専門家に確認した上で、ご自分の判断をしてください。

(1)「皮弁 (flap)」とは何か?

遊離腹直筋皮弁による乳房再建で使用する「皮弁 (flap)」とは、下腹部の皮膚、脂肪、そしてこれらに栄養を運ぶ穿通枝とよばれる下腹壁動脈からなるひと固まりの「肉片」くらいに思ってよいのでは。この穿通枝という細い血管は枝分かれしていて、これをきちんと確保して、移植した先で皮膚や脂肪に血流が確保されるようにしなければならない。このため、穿通枝が付きぬけている腹直筋を一緒に切り取り、移植するのが、従来の方法。この腹直筋をどのくらい切り取るかにより、遊離腹直筋皮弁は4つのタイプに分けられる。

(2)MS-0 から MS-3 までの4タイプがある

穿通枝という動脈をつけた腹直筋を全幅で切り取るのが、MS-0というタイプで、MS-1、MS-2の順に切り取る腹直筋の範囲が少なくなり、全く腹直筋を切り取らないMS-3が、いわゆるDIEP flap である。したがって、Free TRAM flap と、DIEP flap は別の手術式ではなくて、連続性のあるものの異なるタイプ、と考えた方がよい。(このあたりが、なかなかわかりにくい。)MSとは、musle-sparing (筋肉温存)の意味。

(3)MS-2(タイプ2の Free TRAM flap)の目的

MS-2のFree TRAM flapでは、可能な限り多くの穿通枝を皮弁に含めるために、内側の穿通枝と外側の穿通枝の間の筋体のみを皮弁に含める。(1本の動脈が枝分かれして、穿通枝と言われる細い動脈になり、これが内側と外側に分かれている。これを両方確保するため。)

(4)MS-3 (DIEF flap) の目的

MS-3タイプは、筋体をまったく皮弁に含めない。そのためには、メスを使って腹直筋から穿通枝をはく離する。

(5)MS-2の皮弁とMS-3の皮弁を写真で見る

MS-2は、脂肪のかたまりの上に少し濃い赤の細い筋肉が細長くついていて、その中から血管が出ている。血管はだいたい10センチくらいの長さに切られている。切ったあとの体側の血管は結紮(結んで閉じる)する。これに対し、MS-3は、脂肪のかたまりの上に直接血管がついている。これは、そこにあった筋肉をはがしたからである。血管は同様にだいたい10センチくらい。目で見る限り、この2つの皮弁はとてもよく似ている。素人目には、説明されないとわからない。

(6)MS-2(タイプ2の Free TRAM flap)とMS-3 (DIEP flap) の比較

MS-2 (タイプ2の Free TRAM flap) は小範囲とはいえ腹直筋を切り取り、縫合する。これに対し、MS-3 (DIEP flap) は筋肉をはがしてあるので、腹直筋の機能が温存される。(腹壁機能測定をした結果、DIEP flap の方がTRAM flap より有意に優れていた、という論文あり。また、術後の運動機能測定でも、DIEP flap の方がTRAM flap より有意に優れていた、という論文あり。) ←このTRAM flapがどのタイプのTRAM flapを指しているのかは不明。

MS-2は皮弁血行が確実であり、実際に穿通枝とともに採取する筋体も少量であるため、腹直筋の犠牲も少ない(皮弁採取後の腹部膨隆という合併症について、MS-2とDIEP flapの比較で差がない、という論文あり。)

MS-2の方が、MS-3より、多くの穿通枝を含めることが可能であるため、血流の量は多い。そのため、合併症の率はMS-3の方が高い。(皮弁部分壊死や脂肪壊死は、DIEP flap の方がFree TRAM flapより多かった、という論文あり。)

MS-3は腹直筋の運動機能を温存するために肋間神経もはく離温存する必要があり、MS-2より手術が長時間になる。

(7)私の判断

先端的なDIEP flap を行う大病院は増えてきており、また、欧米では「ゴールデン・スタンダード」となっているようだ。しかし、まだ国内では広く普及しているとは言えない。私の主治医も「乳房再建においてすでに確立した手段」である、Free TRAM flap を行っている。このことについて、私なりに調べて、また主治医に尋ねた結果、次のような判断に至った。

Y医師は皮弁血行を確保するためにFree TRAM flap (タイプ2)を選び、切り取る筋体が非常に少ないためその後の運動機能には問題がないと考えており、私もそれを十分に納得した。そのため、私にはDIEP flap を行っている医師を他の病院に求める選択肢はなくなった。

以上、とりあえず、この2つの術式の比較検討と私の結論。私としては、スッキリ、スッキリ。

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