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2009年4月27日 (月)

乳がんと診断されるまでの経緯 (2)

4月第1週

3月に受けたマンモグラフィーの最終結果が思いがけず「精密検査」となり、4月に入って新年度のあわただしさの真っ最中に、紹介された病院へのアポをとることになった。紹介を受けたK病院の「予約受付電話」に電話してみると、新患外来は毎週月曜日のみ、さらに、予約を取ろうとすると、なんと3週間後になってしまうということだった。しかし、予約をせず、紹介状だけを持って、「押しかけ」風に新患外来に並べば、予約の患者が終わったあとで最後に診ていただけるかもしれないと教えられた。

新年度はどのような業種でもいろいろな雑事が重なり、とても忙しい毎日となる。私も直近の月曜日にはとても病院に行ける状況ではなかったので、その次の月曜日に休みを取り、朝から外来に並んだ。この間の気持ちは穏やかとは言えなかった。「疑わしい」と言われたしこりを抱えて、約10日間、通常の仕事を続けるのは複雑なものがあった。できるのなら明日にでも医者にかかりたい、そんな思いをいつも持ちながら、私の体の変調を何も知らない人たちと仕事をするのは何とも言えないものがあった。その間に桜が満開となり、少しずつ散っていった。

年をとると時間が経つのが早く感じるようになる、とよく言われるが、この10日間は逆にとても長く感じられた。ようやく月曜日が来て、診療所から渡された紹介状と、マンモグラフィーのフィルムを携えて朝早くから新患外来に並んだ。妹が仕事を休んで付き添ってくれ、長い待ち時間も、不安な気持ちも、ひととき忘れさせてくれた。病院は込み合ってはいるものの、みな静かに自分の順番を待っていた。夫婦や家族で来ている人も多く、みな同じような不安を持っているのだと見て取れた。

約4時間の待ち時間のあとで、診察を受けた。D医師は、若いが落ち着いた物言いの穏やかな方で、写真を見て、触診すると、「かなり疑わしい。それも両側が。」と言った。最初の診療所の女性医師からは、「右はおそらく大丈夫でしょう。でも、左側が心配です。」と言われていたので、右にまで疑いがあるのかと、不安な気持ちがさらにつのった。長時間の触診のあと、医師は、まだ、いろいろな検査をしてみないと100%のことは言えない、としながらも、「右側は全摘、左側は全摘または部分切除の可能性がある。」と言った。

それまでの10日間、「がんかもしれない、でも、そうでないかもしれない。まだ決まったわけではない。」と、考えることが振り子のように揺れ続け、外から見て、触っただけでそんな大きな宣告をされてはたまらないという気持ちでいっぱいであったが、D医師は触診の段階で、右側に直径約5センチ、左側に2センチのしこりがあると述べて、治療方針にまで言及し始めた。両側に程度の違うがんがある、という仮定のもとでは、治療方針により検査にも違いがでてくるらしい。両側ともがんになるというのは珍しいことなのだろうか。

その日はそれからさらに、再度のマンモグラフィー撮影(左右からはさむ、上下からはさむ、さらに、問題がありそうな場所を拡大してピンポイントで撮影する、という3種類)、エコーをかけての超音波診断、そして血液検査を行った。エコーでは、検査技師がつるつると機械をすべらすたびに頭上のモニターにはくねる波の間に黒い円形の物体が映り、彼女がその上にカーソルを動かして大きさを測っている様子がわかった。はっきりした黒丸、ぼーっとした黒丸、寄り添っているような複数の小さな黒丸、そして横長の楕円のような境界のはっきりしない黒丸。彼女はいくつもの黒丸を捜しあて、かちかちとマウスを操作しながら手際よく大きさを測っていった。

その日は3つの検査で終了し、その3日後に診察を受ける予約をして、帰宅した。夜はT氏に会って不安な気持ちを聞いてもらい、彼からは自分自身の闘病体験と、過去に身内の方を看病した経験談を聞き、とても勇気づけられた。人の話はいつも自分に引き付けて聞くようにする、というのが今までずっと私のスタンスだったと思っていたが、自分がこのような状況になって、初めて、彼の話を、とても身近に、我がことのように聞くことができた。

「死ぬ」ということが不可避だとはよく承知しているつもりではあったが、こんなに死を近くに感じたのはおそらく生まれて初めてだったのだろうと思う。知識ばかりの頭でっかちだった自分を実感した日だった。

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